第2話冒頭部分UP
タグ:VR ひとりでラノベ オリジナル
第1話→http://fuusya.blog18.fc2.com/blog-entry-285.html
ヴァーチャルとリアルが交錯するこの世界で
第2話
1
2002年、元旦。東京都中野区にも朝もやが立ちこめていた。
元旦らしく、俺とみいは初詣にきていた。風が冷たい。東京、浅草の浅草寺(せんそうじ)。みいと初詣にでるようになったのは去年からだ。あの豪邸にひとりきりではみいがかわいそう、という俺の配慮からなのである。
「うわ、浅草寺すげー混んでる」
浅草寺に向かうまでの仲見世通り(なかみせどおり)を群衆が隙間無く埋めている。
「晴れ着いいなあ。あたしも着てみたい」
普段着に厚手のコートを羽織ったみいが、羨ましそうに周囲に眼をやる。
「きゃー、流されちゃうよお」
みいはそう言って俺の左腕にしがみついてきた。左側を見ると、ちょうどみいのつむじが見える。頭ひとつ分くらいみいは背が低い。俺はそんなに背の高いほうではないけれど、高校に入ってからも順調に2cmほど伸びたので、今は身長172cmだ。それに比べて、みいは小学生の頃に背が伸びたっきり、まったく伸びていない。148cmといったところか。
「あー人混みに押しつぶされそう。勇介を盾にして境内までくっついていくしかないわね。頑張ってー」
みいは、さらに左腕に密着してきた。そうなると必然的にみいの胸が俺の左腕に当たる。
これは、もしやおいしいシチュなのでは・・・・・ここぞとばかりに左腕に全神経を集中させる。マッシュルームのようなフワフワした感触が左腕に伝わってくるはず・・・・・・
・・・・・・ってあれ?スカスカするぞ。厚手のコートの下はスカスカで、まるで手応えがない。どうやらただのぺったんこのようだ。
「もー、なんなのこの混み方。全然見えないよ」
身長148cmのみいは人混みに完全に埋まっていた。前すら見えていないようで、どのへんを歩いているのかも分かっていないようだ。俺の左腕にしがみついたまま、完全に頼り切っている。
お賽銭箱の前に辿りつくまで、みいの胸に左腕は密着し続けていたが、一向に手応えはなかった。ひじにはそれらしき手応えはまったく伝わってこなかった。明らかにぺったんだった。みいは身長だけでなく胸のほうも成長していないようだ。こんだけぺったんこだと、間違いなくAカップだろう。身長148cmでAカップとなると、バストは72〜3ってとこか。
この人混みの中、みいのぺったんこな胸の考察で俺の頭のなかは一杯だった。
「はー。すごい人だったわね。お賽銭も入れたし、お目当てのあんみつ屋まで辿り着いて、ようやく一息つけるわね」
あんみつ屋の席について食券を机に出しておいたら、5分とかからずににあんみつは出された。人混みで疲れていたので、糖分の補給には最適。甘くておいしい。スイーツ(笑)とか言ってる場合ではない。
「ほんと、凄い人混みだったね。ぺったんこになりそう・・・・・・」
ぺったんこ、と思わず口にしてしまい、一瞬焦る。ぺったんぺったんと、みいの胸について検証していたのが実はバレていたのではないか。みいは明らかに怪訝(けげん)な顔をしている。俺はあわてて話題を振った。
「そういえば、神様に何お願いした?」
「んーとね、今年は新しく家族が出来ますようにってお祈りしたよ」
「新しい家族?ああ、あの豪邸に親戚とかが引っ越してくるようにってこと?おじいさんやおばあちゃんが越してくるとか」
「違うわよー。結婚すれば家族が増えるじゃない」
え?結婚?
「わたしも今年で18になるんだから、別におかしくないでしょ」
あまりにも突飛な話に、俺はあんみつを吹きそうになった。
「いや、高校3年生で結婚というのはかなり無理があるのではないかと・・・・・・そもそも相手あっての話ですし」
「相手なんて探せばすぐよ。別に勇介でもいいし」
「・・・って俺かよ!単なる幼なじみのお隣さんじゃなかったのか!こいつはびっくりだ!」
俺の驚きとは裏腹に、みいはニコニコしながら続けた。
「家もあるんだから、中野区役所に婚姻届出せば、すぐにでも結婚生活が始められるわよ」
凄いぜ!さすがみいさんだ!発想が自由すぎる!代々木公園の横でやってる自転車の大サーカスのように、自由でリスキーな人生設計だぜ!女の子のほうがはやく大人になるっていうけど、こういうことなのか。胸はまだぺったんこなのに。
だがしかし、俺にはそんな覚悟は、このあんみつに入ってる寒天の欠片ほどにも持ち合わせてはいない。なので、俺はまたまた話を逸らした。
「とりあえずその話は置いておいて、俺は何をお願いしたかというと、聖修大への推薦が決まりますようにってお祈りしといた。」
「内部進学狙ってるの?」
「うんうん、聖修の芸術学部にメディア芸術学科ってのが最近できたじゃん。あれ狙ってて、聖修大付属高校受けたんだ。芸術学部の推薦枠って少ないから競争率高いし。内部の推薦で行ければかなり楽だからね」
「メディア芸術学科って何するとこなの?」
「んー、なんかデッサンやったり、3DでCG作ったり、プログラム組んだりするみたい。俺はやっぱゲーム好きだから、将来はゲーム会社に就職できたらなと思ってて」
なにそのオタ臭い学科、と思われるかと思ったが、みいは予想外にしんみりとして、深刻な面持ちで、
「・・・・・・勇介、ちゃんと将来のこと考えてるんだ。わたしはどうするか考えてないなあ。大学もどうするか悩んでる」
みいは深く考え込んでしまったようだ。
「これはますます勇介と結婚するしかないわね」
・・・・・・冗談なのか本気なのか分からないみいの結婚願望トークを、この後も延々と聞かされるのだった。
というわけで、とりあえずここまで書けました。
続きは第2話としてまとめて同人誌にする予定です。
予定では4/20のサンクリ。↑までで原稿用紙7枚分だけど、第2話は全部で30枚くらいかな、たぶん。
新キャラのオンパレードとなります。
↓サイト版はコレ。同人誌では8まであります。
ヴァーチャルとリアルが交錯するこの世界で 第1話
第1話→http://fuusya.blog18.fc2.com/blog-entry-285.html
ヴァーチャルとリアルが交錯するこの世界で
第2話
1
2002年、元旦。東京都中野区にも朝もやが立ちこめていた。
元旦らしく、俺とみいは初詣にきていた。風が冷たい。東京、浅草の浅草寺(せんそうじ)。みいと初詣にでるようになったのは去年からだ。あの豪邸にひとりきりではみいがかわいそう、という俺の配慮からなのである。
「うわ、浅草寺すげー混んでる」
浅草寺に向かうまでの仲見世通り(なかみせどおり)を群衆が隙間無く埋めている。
「晴れ着いいなあ。あたしも着てみたい」
普段着に厚手のコートを羽織ったみいが、羨ましそうに周囲に眼をやる。
「きゃー、流されちゃうよお」
みいはそう言って俺の左腕にしがみついてきた。左側を見ると、ちょうどみいのつむじが見える。頭ひとつ分くらいみいは背が低い。俺はそんなに背の高いほうではないけれど、高校に入ってからも順調に2cmほど伸びたので、今は身長172cmだ。それに比べて、みいは小学生の頃に背が伸びたっきり、まったく伸びていない。148cmといったところか。
「あー人混みに押しつぶされそう。勇介を盾にして境内までくっついていくしかないわね。頑張ってー」
みいは、さらに左腕に密着してきた。そうなると必然的にみいの胸が俺の左腕に当たる。
これは、もしやおいしいシチュなのでは・・・・・ここぞとばかりに左腕に全神経を集中させる。マッシュルームのようなフワフワした感触が左腕に伝わってくるはず・・・・・・
・・・・・・ってあれ?スカスカするぞ。厚手のコートの下はスカスカで、まるで手応えがない。どうやらただのぺったんこのようだ。
「もー、なんなのこの混み方。全然見えないよ」
身長148cmのみいは人混みに完全に埋まっていた。前すら見えていないようで、どのへんを歩いているのかも分かっていないようだ。俺の左腕にしがみついたまま、完全に頼り切っている。
お賽銭箱の前に辿りつくまで、みいの胸に左腕は密着し続けていたが、一向に手応えはなかった。ひじにはそれらしき手応えはまったく伝わってこなかった。明らかにぺったんだった。みいは身長だけでなく胸のほうも成長していないようだ。こんだけぺったんこだと、間違いなくAカップだろう。身長148cmでAカップとなると、バストは72〜3ってとこか。
この人混みの中、みいのぺったんこな胸の考察で俺の頭のなかは一杯だった。
「はー。すごい人だったわね。お賽銭も入れたし、お目当てのあんみつ屋まで辿り着いて、ようやく一息つけるわね」
あんみつ屋の席について食券を机に出しておいたら、5分とかからずににあんみつは出された。人混みで疲れていたので、糖分の補給には最適。甘くておいしい。スイーツ(笑)とか言ってる場合ではない。
「ほんと、凄い人混みだったね。ぺったんこになりそう・・・・・・」
ぺったんこ、と思わず口にしてしまい、一瞬焦る。ぺったんぺったんと、みいの胸について検証していたのが実はバレていたのではないか。みいは明らかに怪訝(けげん)な顔をしている。俺はあわてて話題を振った。
「そういえば、神様に何お願いした?」
「んーとね、今年は新しく家族が出来ますようにってお祈りしたよ」
「新しい家族?ああ、あの豪邸に親戚とかが引っ越してくるようにってこと?おじいさんやおばあちゃんが越してくるとか」
「違うわよー。結婚すれば家族が増えるじゃない」
え?結婚?
「わたしも今年で18になるんだから、別におかしくないでしょ」
あまりにも突飛な話に、俺はあんみつを吹きそうになった。
「いや、高校3年生で結婚というのはかなり無理があるのではないかと・・・・・・そもそも相手あっての話ですし」
「相手なんて探せばすぐよ。別に勇介でもいいし」
「・・・って俺かよ!単なる幼なじみのお隣さんじゃなかったのか!こいつはびっくりだ!」
俺の驚きとは裏腹に、みいはニコニコしながら続けた。
「家もあるんだから、中野区役所に婚姻届出せば、すぐにでも結婚生活が始められるわよ」
凄いぜ!さすがみいさんだ!発想が自由すぎる!代々木公園の横でやってる自転車の大サーカスのように、自由でリスキーな人生設計だぜ!女の子のほうがはやく大人になるっていうけど、こういうことなのか。胸はまだぺったんこなのに。
だがしかし、俺にはそんな覚悟は、このあんみつに入ってる寒天の欠片ほどにも持ち合わせてはいない。なので、俺はまたまた話を逸らした。
「とりあえずその話は置いておいて、俺は何をお願いしたかというと、聖修大への推薦が決まりますようにってお祈りしといた。」
「内部進学狙ってるの?」
「うんうん、聖修の芸術学部にメディア芸術学科ってのが最近できたじゃん。あれ狙ってて、聖修大付属高校受けたんだ。芸術学部の推薦枠って少ないから競争率高いし。内部の推薦で行ければかなり楽だからね」
「メディア芸術学科って何するとこなの?」
「んー、なんかデッサンやったり、3DでCG作ったり、プログラム組んだりするみたい。俺はやっぱゲーム好きだから、将来はゲーム会社に就職できたらなと思ってて」
なにそのオタ臭い学科、と思われるかと思ったが、みいは予想外にしんみりとして、深刻な面持ちで、
「・・・・・・勇介、ちゃんと将来のこと考えてるんだ。わたしはどうするか考えてないなあ。大学もどうするか悩んでる」
みいは深く考え込んでしまったようだ。
「これはますます勇介と結婚するしかないわね」
・・・・・・冗談なのか本気なのか分からないみいの結婚願望トークを、この後も延々と聞かされるのだった。
というわけで、とりあえずここまで書けました。
続きは第2話としてまとめて同人誌にする予定です。
予定では4/20のサンクリ。↑までで原稿用紙7枚分だけど、第2話は全部で30枚くらいかな、たぶん。
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